JOURNAL Vol.2

美肌菌を増やしてハリ肌に!
皮膚常在菌バランスを整えるメリット&スキンケア法とは

Bio C.H.P

継田様

美容ジャーナリスト
継田 理恵様

美容家・ライター。
『美的』、『VOCE』などの媒体で執筆経験を積み、美容コラムや化粧品パンフレットやタブロイドのコピーを多数手がける。その他、美容イベント企画、出演なども。

近年、世界的に注目度が上がっている“美肌菌”。腸内環境と同じように、肌も菌のバランスが重要であることが広く知られるようになってきました。
美肌菌を増やすケアがよいとされながらも、まだスキンケアに取り入れられていない方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、美容家の継田理恵が、美肌菌バランスを整えるメリットとその方法をご紹介します。

美肌のカギを握る
皮膚常在菌とは

もともと肌には、約1兆個もの菌がいます。菌と聞くとネガティブなイメージを抱くかもしれませんが、肌にいる皮膚常在菌は美肌のカギを握るとともに、体を外敵から守るために欠かせない存在。皮膚常在菌は約1000種類いて、主に善玉菌、日和見菌、悪玉菌に分類されます。

まずは、肌状態を左右する代表的な皮膚常在菌の特徴を押さえておきましょう。

これだけは
知っておきたい!
皮膚常在菌4つ

表皮ブドウ球菌・・・善玉菌

表皮ブドウ球菌・善玉菌

美肌菌の異名をもつ善玉菌。美肌菌と呼ばれることからもわかるように、表皮ブドウ球菌が多いと、肌に赤みが少なく水分量が多いことがわかっています。
いつまでもハリのある*1 しっとり肌を維持するには、表皮ブドウ球菌を大切にするスキンケアが欠かせません。

黄色ブドウ球菌・・・悪玉菌

黄色ブドウ球菌・悪玉菌

化膿やかゆみなどの原因となる悪玉菌。通常は無害ですが、アルカリ性に傾いた環境で増殖して肌に悪い影響をもたらします。
アトピー性皮膚炎の肌に多い傾向が。
 

アクネ菌・・・
日和見菌

アクネ菌・日和見菌

アクネ菌はニキビの原因であるイメージですが、実はどんな人の毛穴にも存在しています。

アクネ菌は肌を弱酸性に保ったり、美肌菌のようにうるおい維持に関わったり、大切なはたらきも。善玉菌と悪玉菌のバランスに左右され、よくも悪くもはたらくのが特徴です。

マラセチア菌・・・日和見菌

背中や胸元にできやすい、ニキビに似たプツプツ。これは、マラセチア菌が原因かもしれません。マラセチア菌によるものであれば“マラセチア毛包炎”と呼ばれます。健康な肌にも存在するマラセチア菌ですが、異常に増えると肌トラブルを起こしてしまいます。

マラセチア菌・日和見菌

肌にいわゆる美肌菌といわれる善玉菌が少なく、悪玉菌が増えてしまうと、ニキビや吹き出物、マラセチア毛包炎、乾燥、肌荒れ、敏感肌、アトピー性皮膚炎といった肌トラブルを招きやすくなります。一見、表皮ブドウ球菌だけ素晴らしいもののように感じるかもしれませんが、実は抵抗力が低くなった肌では、表皮ブドウ球菌が病気を引き起こすことも。
健やかで美しい肌をキープするためには、多様な皮膚常在菌が肌上にバランスよく存在していることが重要なのです。

皮膚常在菌のバランスを整える
メリット4つ

皮膚常在菌のバランスがよい肌では、顕微鏡で見るとお花畑のような“フローラ”を確認できます。
美しいフローラを保てると、次の4つのメリットが!

バリア機能をキープし外敵環境から保護

多様な皮膚常在菌が安定したバランスで存在しているときは、肌のバリア機能が正常にはたらき、病原菌、花粉やカビなどの外的要因から守ることができます。逆に美肌菌が失われ、皮膚常在菌のバランスが乱れてしまうと、肌の抵抗力が下がってあらゆるダメージを受けやすくなることに……。

肌の㏗を理想的な弱酸性に調整

肌は弱酸性の状態が理想的。㏗を調整してくれる常在菌がバランスよく存在することで、トラブルが起きにくい肌をキープすることができます。

うるおい成分を生成

表皮ブドウ球菌とアクネ菌は皮脂や汗をエサにして、乳酸菌生産物質(バイオジェニックス)を作ります。その代表的なものが、肌を保湿するグリセリン関連物質。皮膚常在菌のバランスを整えれば、自らうるおいを保てる肌も目指せるのです。

黄色ブドウ球菌をけん制

美肌菌は、抗菌作用のある脂肪酸を生成します(乳酸菌生産物質の1つ)。この抗菌ペプチドによって、肌荒れやアトピー性皮膚炎のもととなる黄色ブドウ球菌が増えすぎないようにすることが可能に。

肌状では、さまざまな種類の皮膚常在菌が協調して存在しています。美肌菌がしっかりとはたらけて、多様な菌が平和に暮らせる環境をスキンケアで整えることが、美肌づくりの基礎。では、その具体的な方法をチェックしてみましょう!

美肌菌を増やす!
美しい肌フローラを
保つ方法4つ

アトピーや敏感肌、ニキビなどのトラブル肌には、美肌菌と呼ばれる表皮ブドウ球菌が少ないとされています。
間違ったスキンケアや生活習慣、ストレスなどによって、美肌菌は失われがち。
美しいフローラを保って理想の肌を手に入れるために、次の美肌菌を増やす対策を始めましょう!

メイクは速やかにオフする

美肌菌を増やす

汚れや汗、酸化した皮脂が残っていると、悪玉菌が増えやすくなります。帰宅したらメイクを早めにオフするのがポイントです。メイクブラシやパフにも雑菌が繁殖しやすいので、できるだけ洗顔時に一緒に洗うようにしましょう。

美肌菌を洗い流しすぎない

美肌菌を増やす

肌を清潔に保つことも大切ですが、洗いすぎは美肌菌がいなくなってしまう原因。洗顔の回数は最低限にし、強すぎる洗浄成分を避けるようにしましょう。皮脂が少なく乾燥しやすい方は、朝はぬるま湯洗顔でもOK!

肌に不要なものを与えない

美肌菌を増やす

美肌菌は特定の保存料や殺菌成分で弱ってしまいます。アクネ菌も肌の敵と思われがちですが、肌の㏗を弱酸性に保つために欠かせない存在。むやみに殺菌成分入りのスキンケアを使うのは避けるのがベター。スキンケアを選ぶ時には、肌に不必要なものが極力入っていないものを選ぶことが大切です。

美肌菌がはたらきやすい環境を整える

美肌菌を増やす

腸内環境のために発酵食品や乳酸菌がよいといわれるように、美肌菌のためにも発酵菌や乳酸菌などを含むスキンケアがGOOD! 近年、美肌菌に着目したスキンケアが続々と世に出ていますが、選ぶときには美肌菌が嫌がる不要な成分が入っていないか注目して。

自分を大切にする時間を

美肌菌を増やす

ストレスも美肌菌の大敵。
気分に合ったアロマオイルをお風呂に入れて入浴したり、瞑想やヨガなどをしたり、自分の心と向き合う時間を作ることも大切です。

美肌菌が大喜び*2
注目のスキンケア
成分4つ

美肌菌がはたらきやすい健やかなうるおい環境を整えるためには、スキンケア成分にもこだわりましょう。
美肌菌が喜ぶ*2スキンケア成分は、要チェックです!

玄米発酵菌

玄米発酵菌とは、玄米、水、塩、黒糖といった食材を発酵させてできるもの。お米には酵母や細菌などの生きた微生物がたくさんついていて、微生物たちが力を合わせてエサを食べて分解することで発酵が起きます。微生物たちが玄米から作り上げた玄米発酵菌は、加熱にも冷凍にも強く、そのたくましさから“菌の王様”と呼ばれることも。

古来より日本人の健康や生活のために重宝されてきた玄米発酵菌は、日本人になじみやすいといえるでしょう。玄米発酵菌を肌に与えて皮膚常在菌と共存させると、バランスをサポートしながらしっとりなめらかな肌に整っていきます。

玄米発酵菌

米ぬか発酵液

米ぬかとは、玄米を精製するときに発生するもの。米の中でもっともビタミンやアミノ酸などの栄養素が多く含まれる、胚芽や種皮、果皮といった部分の粉です。酒蔵で米ぬかや米麹を扱う人の手が美しいといわれるように、米ぬかの美容効果は古くから注目されてきました。そんな有用な米ぬかを麹菌や乳酸菌、酵母などの微生物と混ぜて発酵させると、米ぬか発酵液ができあがります。

米ぬか発酵液も、美肌菌が喜ぶ*3発酵成分。スキンケアに取り入れると肌がしっとり柔らかく整い、キメ細かなコンディションに整います。さらにブライトニング効果*3も期待できるので、透明感あふれる明るい肌を目指したい方におすすめしたい成分です。

米ぬか発酵液

乳酸桿(かん)菌

知名度の高い乳酸菌は、食物繊維やオリゴ糖といった糖の仲間を発酵させて大量の乳酸を作り出す、ヒトにとって有用な菌のことです。乳酸菌も皮膚常在菌で、善玉菌の1つ。乳酸菌はその特性によって、乳酸桿菌(ラクトバチルス属)と乳酸球菌(ストレプトコッカス属)に分けられます。

スキンケア成分としての乳酸桿菌(ラクトバチルス属)には、うるおいを与えて肌荒れを防ぐはたらきがあり、肌を健やかに保ちながら保護力をキープする役割を担います。皮膚常在菌のバランスと肌環境を整えるために、積極的にチャージしたい成分です。乳酸桿菌がいきいきとはたらくには、発酵に必要な食物繊維やオリゴ糖も欠かせません。

乳酸桿(かん)菌

食物パウダー

菌の活動環境に必要な食物繊維は、糖質(炭水化物)の一種で第6の栄養素とも呼ばれています。その宝庫である食物をパウダーにしたものは、スキンケアにもぜひ取り入れたいところ。さまざまな食物の中でも、古来より美容や健康に用いられてきたハーブや、ポリフェノールやビタミン、ミネラルが豊富な食物に注目です。
例えば “ハーブの女王”とも呼ばれるヨモギや、生きるために必要な栄養素が詰まった“準万能食”である紅芋。よもぎは昔から草餅やよもぎ風呂などとして健康に役立てられてきましたし、紅芋も近年ますますそのパワーに注目が集まっています。スキンケア成分としてはうるおいを与えながら肌荒れを防ぎ、エイジングケア※3、ブライトニングケア※3にも有用です。

食物パウダー

美容家が指南!
美肌菌スキンケアの
始め方

では、理想的な皮膚常在菌のバランスを叶える“美肌菌スキンケア”の始め方をチェックしてみましょう。

クレンジングとメイクから変える

洗いすぎは美肌菌がいなくなってしまう原因。オフしにくいしっかりメイクは、どうしても洗浄力の強いクレンジングが必要です。洗いすぎを防ぐためには、メイクとクレンジングを一緒にナチュラルなものに変えるのがおすすめ。石けんオフできるミネラルメイク、ナチュラルメイクも年々進化をしていて、カバー力も使いやすさもパワーアップしています。ぜひチェックしてみて。

自然の力を活かした化粧品にスイッチ

美肌菌が嫌がる成分を避けるためには、口に入れても大丈夫な成分、植物由来成分でできているスキンケアを使うのがおすすめ。クレンジングとメイクを変えたら、保湿アイテムもオーガニック、ナチュラルなものにシフトするのがベターです。

続けやすいものを選ぶ

どんなに素晴らしいスキンケアでも、ステップが多かったり使い心地がよくなかったりすると継続は難しいもの。洗顔とクレンジングが1つで済むものやマルチに使えるものなど、続けやすいスキンケアを活用して。時間がある日と忙しい日で、アイテムを使い分けるのも一つの策です。

美しく健康的な肌を手に入れるには、皮膚常在菌のバランスが重要。
失われがちな美肌菌を守るスキンケアを続けて、自らうるおうハリ肌*1 を手に入れましょう!

*1 保湿効果による
*2 表皮ブドウ球菌がはたらきやすい健やかなうるおい環境が整うこと
*3 年齢に応じた保湿ケア

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